写真立てに入れて、玄関に飾らせていただきました。
私がこれまでで一番長く声楽を師事していた先生からです。
2月のこの時期、2日続く従兄と父の命日で気持ちがなんとなく沈む事も、今の私の現状も全てご存知で、これまでもいろいろと勇気付けて下さったり、アドバイスをして下さったり、母親の様な先生です。
20代の後半から、先生が持っていらっしゃる長野県の野辺山の別荘に、夏になる度に泊まりがけで遊びに行かせていただいて、何日か涼んでリフレッシュしていたものでした(グランドピアノが置いてあり、レッスンもしないといけなかったのですが!)
別荘にお邪魔していたある日、野辺山から暑中見舞いを出してしまおうという事になり、どうせならちょっと凝ろうかなどという話になり、先生と、もう一人一緒に別荘に行った同門の先輩と私とで、野辺山に咲いている可愛らしい草花を摘んで、手帳に挟んで押し花を作り、葉書にそれを載せてアイロン掛け・・・という作業をした事がありました。
そういう作業には苦手意識があったのですが、一人では絶対にやらない事なので一生に一度はやってみたいと思った事と、先生が「簡単だし、ただ好きな様に作ればいい」と、レッスンでは絶対に出てこない「好きな様に」という言葉に異常に魅力を感じた為にやりたいと思ったのを覚えています。
出来上がった押し花の葉書は、まあまあの出来だった事しか覚えていませんが、思ったより時間が掛かった記憶があります。
その年を最後に、結婚、出産と続き、野辺山に毎年行く事はなくなりましたが、最近届いた先生の手作りの押し花のこの一枚の葉書きに、勿論励ましの言葉が沢山書かれてあり嬉しかったのですが、ト音記号を下から眺める兎たちの後ろ姿に、先生からのメッセージがぎっしり詰まっているのを感じ、心が温かくなりました。
上の娘の出産の少し前に、子供が少し手が掛からなくなったら必ずレッスンに復帰しますと約束して、お休みさせていただいたのに、もう10年経つというのに未だそれが出来ていない私を、いつも心配して下さり、伊吹子先生には感謝の気持ちでいっぱいです。